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社長あいさつ

経営理念を考える

 非常にわたしたちを取り巻く環境の変化が激しく、そして何が正しく、何が誤っているのか、判断基準が揺れています。企業も進路をどう取るか、迷っているのが今の時代です。
 少し古い話になりますが、ミドリ十字の血友病患者への血液製剤、エイズ感染問題。このことは、本当の理念を持っていれば起きなかった問題で理念に「人の命の大切さ」があれば防げたことではないでしょうか。企業にとっていかに理念が重要であるかということです。

 私は一年前、このマルハチを、激動の時代を乗り切り、進路を誤る事なく、常に活力のある企業にするにはどうすればいいかという悩みを抱えていました。
 ちょうどその時「ビジョナリーカンパニー 時を超える生存の原則」(ジェームズコリンズ、ジェリーコーポラス著)という本との出会いがありました。平成8年5月のことです。私はこの本を読み進んでいくうちに、大きく心を揺さぶられる思いがしました。この年の10月、私はアメリカにいく機会があり、滞在中の2週間余りのあいだ、朝から晩までホテルに閉じこもり、この本を何回も何回も読み返しました。一言一句、理解しながら、かみ砕いて自分のものにしていきました。

 基本理念制定前の経営理念は15年前の5月20日に班長や男子社員が集まってつくった、立派な経営理念です。他の会社の理念と比較しても、決して、劣るものではありませんでした。
 しかし、真の経営理念とは、心の奥底で信じているもの、つまり、信念でなければならないのです。立派な、あるいは大企業の価値観をまねたのでは理念でないし、ましてや社外の人間からつくってもらったものも理念ではないのです。真の理念は、マルハチであればマルハチの中にあるもの・・・・・・マルハチの中から探し出して見つけだすものなのです。「こうしよう」「ああしよう」などと作り上げたり設定したりするものではない。まねをするものでもない。心から信じていること、そうでなければ経営理念にはなりえないのです。
 これまでの経営理念は、格好や見栄にとらわれていないか?ただ単に格好の良い言葉を並べすぎていないか?どんな状況になろうとも100年に渡って守り続けられる信念であるか?本当に不滅か?指針となり活力を与えているか?マルハチは何のために存在し、企業活動を続けてきたのか?次々と疑問が出て来ました。理念は本物でなければならない。模造することもできない。信念でなければならない。そして「純粋にマルハチの社員がマルハチのなかから見つけだすものである」ということ。
 私は決断しました。経営理念を見直してみよう。その結果が、これまでの経営理念になったらそれでいい。違っていたら、新しくしよう。帰りの飛行機の中で結論をだしました。
 しかし、それは社長一人でするのではなく、「マルハチの中から見つけだすもの、それぞれが肝に銘じ骨の髄まで染み込んであるもの」ということから、「経営理念委員会」をつくり、次の二つの条件を持った社員とともに考えて行くことにしました。
 イ)これまでの経営理念の制定過程・内容に、よく精通している社員
 ロ)10年以上のキャリアで古いマルハチも新しいマルハチもよく知っており、マルハチハートが体に染み込んでいる社員。私を含めた8人がメンバーとなりました。



経営理念から基本理念へ

 平成8年12月18日に最初の会議が開かれ、理念の定義について意思統一をし、3回目の会議から具体的に「マルハチ」について検討を始めました。30から40の価値観あるいは目的が出されました。
 この中からマルハチにとって「本物」であり、「心の奥底で信じているもの」あるいは「信念」「単なる金儲けを超えた、企業の根本的な存在理由」を探し出すことにしました。激論が重ねられました。各人のマルハチに対する思い入れ、あるいは仕事に対する信念。お互い、自分が信じ込んでしてきた「信条」そのもののぶつかり合いとなった場面も数多くありました。ひとつの鉄の塊が焼かれ、打たれ、また焼かれて打たれ、その繰り返しをしていくと鉄の芯のみが残り、磨かれ ・・・まさに「日本刀」が作られていく過程そのものでした。数多くのマルハチの精神の中から、焼かれ、打たれ、磨かれ・・・・・・
 「ビジョナリーカンパニー」と出会ってからちょうど一年、経営理念委員会がスタートして半年を経て、どんな状況になろうとも、100年たった後にも通用するマルハチ精神が明確になり、絞りに絞り込んで4つにまとめ上げることができました。
 これは、新しく「基本理念」と呼ぶことにします。
 この基本理念は、社員から社長まで、マルハチすべての指針となり、活力を与えるものとなり、マルハチに永遠に息づいていくものです。

1997年5月27日         
基本理念発表会 社長あいさつ