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漬物ってすごい

そもそも漬物ってなに?

 牛肉の味噌漬けや魚の粕漬けなど魚肉類の漬け物もありますが、国の規定では主に野菜や果物、きのこ、海藻などを原料にしたものが漬物とされています。さらに漬物は、保存性のあるものと一夜漬けのように保存性のないものに大別されるほか、漬け込みに使用される調味料や漬け床によって塩漬けや味噌漬け、醤油漬け、糠漬けといった種類に分類されています。
 発酵を伴うタイプの漬物は、材料に自然に付着している乳酸菌と材料に含まれる糖類によって発酵し、保存性と風味が上がりますが、麹などを添加して発酵の基質となる糖類を増やしたり、そこに含まれる酵素によって風味を向上させる酵素反応を誘導することもあります。
 一方、実際には浅漬け、千枚漬け、松前漬け、砂糖漬け等、その製造に発酵をともなわないものも多くあり、漬物といえば発酵食品という分類は間違いなのです。

 この日本の漬け物と切っても切れない関係にあるのが「塩」です。野菜を塩漬けにすると、浸透圧の働きで細胞から水分がしみ出て繊維がしんなりしてくるのはご存知でしょうか?この漬かった状態から、さらに野菜からしみ出た成分を栄養源に乳酸菌などが発酵して独特の風味が出ておいしくなる!
 保存性がよくなるのは、高い浸透圧が腐敗菌の活動を抑えるためです。



漬物はいつからあるの?

 日本人がいつから漬け物を作るようになったかは定かではありません。しかし、野菜に塩をまぶせば簡単にできることから相当古くから食していたと考えられます。一説には縄文時代から海水に浸けた海藻を干して焼くことで塩づくりをしていたというのですから、縄文時代には漬け物が誕生していたのかもしれませんね。

 この漬け物が日本の記録に現れるのは、天平年間(729~749年)の木簡(墨で木札に文字などを書き、送り状や文書に使用したもの)です。瓜や青菜などの塩漬けのことが記載されていました。その後、奈良時代に入ると大陸の文化が伝来、酒や味噌などの調味料が醸造されるようになり、漬け物も多様化していきます。
 中世に入ると、漬け物はいっそうの発展を遂げ、室町時代には「香の物」という言葉が使われるようになります。そして江戸時代には糠漬けも登場。皆さんご存知の「香の物屋」といわれる漬け物屋も誕生し、漬け物はいよいよ庶民の間に広まっていきます。
 こうして江戸時代初期に製造方法や商売の基礎ができあがった漬け物は、近世に入ってさらに発展。今日では健康志向をとらえ低塩で漬ける製造技術も開発されるなど、その市場規模は6000億円に達すると言われています。



漬物は私たちの体を健康にしてくれる!

 塩の作用により野菜を脱水することにより、野菜はしんなりとしますよね。硬く生のままでは食べにくい野菜でも柔らかくなり、野菜を取り入れやすくなります。また普段、あまり多く食べられない葉野菜も、漬物にして「かさ」を減らすことで多く摂ることができます
 そしてさらにうれしいのは、野菜の中に含まれる食物繊維やビタミン類などの栄養素はほとんどそのまま野菜の中に残っていること!多くビタミンは加熱処理を行ってしまうとほとんど残りません。しかし、浅漬の場合はビタミン類もたっぷり残っており、圧縮された野菜の栄養素を摂ることができるのです。漬物は油を使わず、高脂肪分になりがちな現代の食生活にはうってつけの食品ですね。
ぬか漬やキムチなどは乳酸発酵する漬物を食べると、多くの乳酸菌をとることができ、併せて善玉菌のエサとなる食物繊維も摂取することになるため、腸内での善玉菌の繁殖を支援する効果が期待できます
 最後に、野菜を原料とする漬物はアルカリ性食品。アルカリ性の食品は血液をアルカリ性に保ち、健康を維持する効果があるといわれています。